ダイワスカーレット

Daiwa Scarlet

厩戸名馬の館G1競走大研究Wikipedia ひとつ前の画面を参照するにはブラウザの「戻る」ボタンを押して下さい
[競走成績][実績][血統表]

ダイワスカーレットの画像
著作権
2004/5/13生 
牝  栗毛
父:アグネスタキオン 母:スカーレットブーケ (by ノーザンテースト)
生産者:千歳・社台ファーム(JPN)
馬主:大城敬三氏
調教師:松田 国英(栗東)

・中央所属時成績
2 歳時 2戦 2勝
3 歳時 7戦 4勝 桜花賞 秋華賞 エリザベス女王杯
4 歳時 3戦 2勝 有馬記念
中央通算 12戦 8勝
全通算 12戦 8勝

[解 説]当HPでは漢数字の馬齢は旧年齢表記、算用数字の馬齢は満年齢表記
 ダイワスカーレットは2004年5月13日、千歳・社台ファームにて生まれた。父アグネスタキオンは現役時4戦4勝。無敗で皐月賞を制してダービーを前にして屈腱炎で引退を余儀なくされた。その父は日本競馬界に大きな足跡を残した大種牡馬サンデーサイレンスで、母は桜花賞馬アグネスフローラである。その母アグネスレディーもオークス馬である。アグネスタキオンの全兄アグネスフライトはダービー。大きな可能性を感じさせる勝ちっぷりと、魅力十分な血統背景とあって、サンデーサイレンス亡きあとの後継種牡馬として大きな期待を集め、主な活躍馬としてはNHKマイルカップを勝ったロジック、NHKマイルカップとダービーを連覇したディープスカイ、エリザベス女王杯を勝ったリトルアマポーラなどがいる。母スカーレットブーケは京都牝馬特別、中山牝馬Sの重賞勝ちを含む通算21戦6勝。イソノルーブルシスタートウショウ、ノーザンドライバ、ミルフォードスルーなどが出走し、史上稀に見るハイレベルと評された1991年の桜花賞の出走馬で、スカーレットブーケも3番人気に支持され、4着であった。しかしスカーレットブーケは同期馬を遥かに凌駕する繁殖成績を残した。サンデーサイレンスを父とする3番仔ダイワメジャーは皐月賞、天皇賞・秋、安田記念、マイルチャンピオンシップ2回とG1級競走を5勝する大成功を収めた。ダイワスカーレットは4番仔であった。母スカーレットブーケの父ノーザンテーストは社台ファームが輸入したノーザンダンサー直仔の種牡馬で、アンバーシャダイギャロップダイナシャダイアイバーなど、今日の社台ファーム隆盛のきっかけとなる大成功を収めた。
 父親と同じ栗毛に出たダイワスカーレットは、大城敬三氏の持ち馬となり、栗東・松田国英厩舎に入厩した。ダイワは大城氏の冠名でスカーレットは母馬に由来する。スカーレットは花の名前であると同時に、マーガレット・ミッチェル作の小説「風とともに去りぬ」の男勝りの主人公スカーレット・オハラに由来すると思われる。初出走は、2006年11月16日京都競馬の新馬戦。鞍上の安藤勝己騎手のほぼ手を動かすことなく楽勝した。この日は兄ダイワメジャーがマイルチャンピオンシップを優勝した日でもあった。続く中京2歳ステークスも快勝し、2戦2勝で2歳競馬を終えた。
 2007年3歳となったダイワスカーレットはシンザン記念から始動。1番人気に支持されたものの、中京2歳ステークスで負かしたアドマイヤオーラの2着に敗れた。続くチューリップ賞には前年阪神ジュビナイルフィリーズを制して2歳女王に輝いたウオッカが出走していた。ダイワスカーレットは2番人気であった。これまでのように先行策から抜け出してゴールを目指すも、ウオッカの差し脚に首の差敗れた。
 第67回桜花賞は2007年4月7日、晴・良馬場の阪神競馬場で開催された。阪神競馬場は昨年末より外回りコースを新設して、周回距離を400mを従来より延長し、直線も約100m伸びて450mとなっていた。この改修の主目的は桜花賞の施行される1600mコースがスタートから2コーナーの距離が短すぎて、乱ペースになりやすく、実力馬が本来の力を発揮できないとされていたからであった。今回の改修でスタートは向正面中間となり、緩いコーナーを回って、長い直線を迎えることになった。桜花賞の戦い方を一変させる新コースは、今回の桜花賞が初使用であった。1番人気はウオッカであった。昨年、桜花賞と同一コースで開催された阪神JFを快勝しており、しかもライバルと目されていたダイワスカーレットを、これまた桜花賞と同一コースのチューリップ賞で退けていた。ダイワスカーレットは評価を下げて3番人気であった。3歳になって未勝利、先行馬にとって不利な大外18番枠というのも嫌われた要因であったろう。ダイワスカーレットの鞍上の安藤勝己騎手は前走の結果から、瞬発力勝負ではウオッカに太刀打ちできないと判断し、積極的に前に出てウオッカの追い込みを封じる策にでた。好スタートから先手を奪うと、2番手につけた。旧コースならこうは楽に先行できなかっただろうし、3・4コーナーが非常に緩いのも先行馬にとって有利だった。ただ直線が長いのが不安点であった。しかしダイワスカーレットは粘り腰を見せた。直線の坂で迫られながらも、猛然と追い込んだウオッカを1馬身退けたのである。新コースの特性とダイワスカーレットの先行力を把握していた安藤騎手と陣営の勝利であった。また皐月賞を制していた兄ダイワメジャーとともに兄妹クラシック制覇を達成した。
 次に予定していたオークスは、ウオッカがオークスを回避してダービー挑戦を表明していたため、俄然有力視されたが、感冒のため出走を取り消した。そのオークスを勝ったのはローブデコルテ。しかしオークス出走馬のその後の成績を考えると、もしダイワスカーレットが出走していれば、勲章が一つ増えていた確率がごく高かったであろう。ダイワスカーレットは山元トレーニングセンターへ放牧に出されて秋に備えた。
 3歳秋はローズステークスから始動。オークス2着のベッラレイアがライバル視されたが、あっさり退けた。
 第12回秋華賞は晴良馬場の京都競馬場で行われた。今回もウオッカがライバルとして立ちはだかった。ウオッカクリフジ以来64年ぶりに牝馬によるダービー制覇を達成し、余勢を駆って出走した宝塚記念は9着だったものの、3歳牝馬限定で後れをとるはずがないとファンは考え、1番人気に支持した。ダイワスカーレットは桜花賞でウオッカに完勝していることは評価されず、新馬戦以来の2000mとあって2番人気であった。しかしダイワスカーレットは強かった。いつものように先行して抜け出す横綱競馬でレインダンス以下に1馬身差で快勝した。ウオッカは京都の直線が短すぎたのか4着に追い込むのがやっとだった。
 第32回エリザベス女王杯は晴良馬場の京都競馬場で行われた。ダイワスカーレットは当初マイルチャンピオンシップで兄ダイワメジャーとの対決も匂わせていたが、手堅く牝馬限定のここに狙いを定めた。当初このレースにはウオッカが出馬登録していて、前売りで断然の1番人気に支持されていた。しかしウオッカがレース当日に出走を取り消し。押し出されるようにダイワスカーレットは1番人気に支持された。ウオッカがいないとはいえ、前年の覇者フサイチパンドラや前々年の覇者スピープトウショウなど、実力のある古馬牝馬が出走していて、簡単に勝てる相手ではないのは明白であった。ダイワスカーレットはこれらの歴戦の牝馬を問題にしなかった。いつも通りに先行して抜け出すと、フサイチパンドラを2着、スイープトウショウを3着に沈め、現役最強牝馬の1頭と認識されるようになった。ただ同世代のウオッカとどちらが強いかは、直接対決の結果だけでは推し量れないものがあった。
 ウオッカとの決着をつけるべく出走した有馬記念には兄のダイワメジャーも出走していて、兄妹対決として話題となった。ファン投票では兄が3位で妹が4位。しかし兄の6番人気に対し5番人気であった。これは両馬で主戦を務めていた安藤勝巳騎手がダイワスカーレットを選んだことも影響していた。しかし2000mまでの実績しかない兄に対して、天皇賞春秋連覇を達成したメイショウサムソンをはじめ一流牡馬と初対決とはいえ、妹のほうが勝算が高いと考えられた。ただ長い有馬記念の歴史で3歳牝馬で制したのはスターロツチのみ。さすがに勝利は難しいと思われていたのも事実であろう。ダイワスカーレットは果敢に逃げたが、内からノーマークだったマツリダゴッホの抜け出しを許し2着に敗れた。兄ダイワメジャーは3着で、兄妹で馬券に絡んだ。マツリダゴッホがいなかったら、G1史上初の兄妹ワンツーが実現していたかもしれない。翌年のJRA表彰では、ダービーを制していたウオッカを差し置いて、最優秀3歳牝馬と最優秀父内国産馬として表彰された。
 4歳となったダイワスカーレットはドバイ遠征が計画されていた。しかし調教中に木片が右目に入り、創傷性角膜炎と診断された。遠征は白紙にされ、2008年4月大阪杯から始動した。ここには天皇賞・春を目指す牡馬が出走していたが、同年の宝塚記念を制することになるエイシンデュピティ以下に完勝した。その後、ヴィクトリアマイルを目標に調整されたが、右前脚管骨骨瘤を発症したため、春シーズンは全休することになった。
 ダイワスカーレットの4歳秋は天皇賞・秋から始動した。半年ぶりの実戦、初めての東京競馬場と不利な条件があったが、大阪杯での完勝ぶりとウオッカと互角以上の戦いぶりを評価されて、ウオッカに次ぐ2番人気に支持された。この年の天皇賞・秋は全出走馬が重賞勝ち馬という有馬記念でも滅多にない豪華版だった。ダイワスカーレットは好スタートから先頭を奪ったが、トーセンキャプテンに後ろから競りかけられる苦しい展開となった。並の馬なら沈んでしまう展開だが、ダイワスカーレットの粘り腰はここからだった。ゴール前100mでも先頭を譲らず、勝利は目の前にあったが、外から猛追したウオッカと横並びでゴールした。肉眼では全く優劣がわからず、15分間に及ぶ写真判定の末、僅か2センチの差でダイワスカーレットは敗れた。しかし久々で素晴らしい粘りを見せたダイワスカーレットに惜しみない賞賛が贈られた。
 第53回有馬記念は2008年12月28日中山競馬場で開催された。激走した天皇賞・秋の反動を恐れてジャパンカップを回避して有馬記念に直行したダイワスカーレットは1番人気に推された。ウオッカこそいなかったが、メイショウサムソンなど実績馬が居並ぶ中、軽く先頭を奪うと、淀みないペースで逃げ、アドマイヤモナーク以下に快勝。牝馬が有馬記念に勝ったのは1971年のトウメイ以来史上4頭目。ただし1番人気で優勝したのはダイワスカーレットが初めてであった。このような快挙を成し遂げたにも関わらず、翌年のJRA表彰ではウオッカに最優秀古馬牝馬を奪われ、最優秀父内国産馬のタイトルもなくなり、特別賞にもその対象とならなかった。
 翌2009年、フェブラリーSを叩いてドバイ遠征が陣営から発表された。しかしフェブラリーS直前の調教で浅屈腱炎を発症し、引退が発表された。初めてのダートとはいえ、「海外で3勝を目標とする」という強気な目標も、この馬なら期待できただけに、その引退は惜しまれた。
 引退後は生まれ故郷の社台ファームに戻り、繁殖牝馬として供用された。初年度の相手は社台ファームがサンデー牝馬の種付け用として購入したフランス産馬チチカステナンゴである。
 12戦して8勝し、2着は4回。つまり連対率は100%である。薄いビロードのような鹿毛の皮膚ははち切れんばかりで、競走中は青い覆面に隠されていたが、白い鼻筋の通った可憐な顔立ちであった。女性騎手と鳴らした細江純子氏は「女優に例えれば宮沢りえ」という秀逸なコメントを残している。牡馬混合G15勝を含むG1級7勝というとてつもない実績を残した同世代のウオッカに比べると実績には劣るが、直接対決5回のうち3回先着していて、実力的には互角であったことは誰もが認めるところであろう。繁殖牝馬としても大いに期待されている。
2010年7月25日筆

日付 競馬場 競走名 距離 馬場 頭数 人気 着順 時計 騎手 斤量 馬体重 1着馬(2着馬)
2 2006/11/19 京都 新馬 2000 12 1 1 2:04.1 安藤勝己 54 494 (コスモグルミット)
2006/12/16 中京 中京2歳ステークス 1800 8 1 1 1:47.8 安藤勝己 54 488 (アドマイヤオーラ)
3 2007/1/8 京都 シンザン記念(JpnIII) 1600 10 1 2 1:35.3 安藤勝己 54 490 アドマイヤオーラ
2007/3/3 阪神 チューリップ賞(JpnIII) 1600 16 2 2 1:33.7 安藤勝己 54 488 ウオッカ
2007/4/8 阪神 桜花賞(JpnI) 1600 18 3 1 1:33.7 安藤勝己 55 486 (ウオッカ)
2007/9/16 阪神 ローズステークス(JpnII) 1800 14 1 1 1:46.1 安藤勝己 54 490 (ベッラレイア)
2007/10/14 京都 秋華賞(JpnI) 2000 18 2 1 1:59.1 安藤勝己 55 484 (レインダンス)
2007/11/11 京都 エリザベス女王杯【GI】 2200 13 1 1 2:11.9 安藤勝己 54 484 (フサイチパンドラ)
2007/12/23 中山 有馬記念【GI】 2500 15 5 2 2:33.8 安藤勝己 53 486 マツリダゴッホ
4 2008/4/6 阪神 大阪杯【GII】 2000 11 1 1 1:58.7 安藤勝己 56 498 (エイシンデピュティ)
2008/11/2 東京 天皇賞・秋【GI】 2000 17 2 2 1:57.2 安藤勝己 56 498 ウオッカ
2008/12/28 中山 有馬記念【GI】 2500 14 1 1 2:31.5 安藤勝己 55 494 (アドマイヤモナーク)

距離別実績
距離区分 1着 2着 3着 連対率 主な勝鞍
1400m未満 0.000
1400〜1900m未満 53201.000 2007桜花賞
1900〜2200m未満 43101.000 2007秋華賞
2200〜2800m未満 32101.000 2007エリザベス女王杯 2008有馬記念
2800m以上 0.000
芝コース通算128401.000 

競馬場別実績
競馬場 1着 2着 3着 連対率 主な勝鞍
中京11001.000
中山21101.000 2008有馬記念
京都43101.000 2007秋華賞 2007エリザベス女王杯
東京10101.000
阪神43101.000 2007桜花賞
通算128401.000 

5代血統表
アグネスタキオン
1998 栗毛
サンデーサイレンス Halo Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
Wishing Well Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss
アグネスフローラ ロイヤルスキー Raja Baba Bold Ruler
Missy Baba
Coz o'Nijinsky Involvement
Gleam
アグネスレディー リマンド Alcide
Admonish
イコマエイカン Sallymount
ヘザーランズ
スカーレットブーケ
1988 栗毛
ノーザンテースト Northern Dancer Nearctic Nearco
Lady Angela
Natalma Native Dancer
Almahmoud
Lady Victoria Victoria Park Chop Chop
Victoriana
Lady Angela Hyperion
Sister Sarah
スカーレットインク Crimson Satan Spy Song Balladier
Mata Hari
Papila Requiebro
Papalona
Consentida Beau Max Bull Lea
Bee Mac
La Menina Royal Charger
Your Hostess


作成 2012/01/31
検索エンジン等でこのページをご覧になられた方は、「厩戸」をクリックして「ご利用にあたって」をお読み下さい。
リンクはトップページのみで、このページを含む個々のページへのリンクは禁止します。

Copyright (C) 2000 Umayado Oji
inserted by FC2 system