キングカメハメハ

King Kamehameha

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[競走成績][実績][血統表]

キングカメハメハの画像
画像提供 RACINGFIELDS.com
2001/3/20生 
牡  鹿毛
父:Kingmambo 母:マンファス (by ラストタイクーン)
生産者:早来・ノーザンファーム(JPN)
馬主:金子真人氏
調教師:松田国英(栗東)

・中央所属時成績
2歳時 2戦 2勝
3歳時 6戦 5勝 NHKマイルカップ 東京優駿(日本ダービー)
中央通算 8戦 7勝
全通算 8戦 7勝

[解 説]当サイトでは漢数字の馬齢は旧年齢表記、算用数字の馬齢は満年齢表記
 キングカメハメは2001年早来・ノーザンファームにて生まれた。父キングマンボKingmamboは1990年アメリカ産馬。現役時代はフランス・イギリスで13戦5勝。プール・デッセ・デ・プーラン(仏GI・芝1600m)、セントジェームズパレスステークス(英GI・芝1600m)、ムーラン・ド・ロンシャン賞(仏GI・芝1600m)などを勝っている。その父ミスタープロスペクターはアメリカの歴史的名種牡馬でノーザンダンサー系とひと味違う鋭いスピードをその産駒に伝えている。キングマンボの母ミエスクMiesqueはブリーダーズカップ・マイル連覇などGIを10勝した歴史的名牝である。そんな血統背景から引退後はミスタープロスペクター系種牡馬として期待され、現在もアメリカで活躍中である。日本にも何頭かキングマンボ産駒が輸入されていおり、最も有名で成功したのはエルコンドルパサーである。また2005年のジャパンカップを制したアルカセットもキングマンボ産駒である。母マンファスManfathはラストタイクーンを父とする1991年アイルランド産。イギリスで7戦0勝と現役時代は平凡ながら、次年度産駒のザデピュティThe Deputyがサンタアニタダービー(米G1)を勝つなど好成績を収め、2001年日本に輸入された。その時彼女の腹にはキングマンボの種を受胎した仔馬が宿っていた。日本輸入後に生まれたその仔がのちにキングカメハメハと名付けられることになる。半妹に2005年オークスで4番人気に支持されたレースパイロットがいる。。
 2003年栗東・松田国英厩舎に入厩したキングカメハメは11月の京都で初出走した。弾けるような張りのある馬体は当時から評判となっていて、1番人気に支持され、安藤勝己騎手を按上に勝利した。続く12月阪神のエリカ賞も武豊を按上に連勝。着差はいずれも半馬身ながら2戦無敗で2歳を終えた。
 3歳2004年は1月中山の京成杯から始動した。クラシックを意識している馬にとっては早すぎる始動である。京成杯というのは、クラシックを狙うには獲得賞金が不足している二戦級が出走するレースであった。したがってここでキングカメハメハが1番人気に支持されたのは当然のことであった。しかしバルジュー騎手を按上に勝ち馬と4馬身3/4離された3着に敗れてしまった。格下相手に敗れ傷心のキングカメハメハは関西に戻り、2月末阪神のすみれステークスに出走。重馬場を克服できるかが課題だったが、安藤勝己騎手を背に3番手から鋭く伸びて2着に2馬身半差をつけて完勝した。続いてキングカメハメハは毎日杯に出走した。毎日杯は東上最終便と言われ、皐月賞に出走するために獲得賞金の上積みできる最後の重賞競走である。それゆえ出走メンバーは弱体で、このレースを制して皐月賞に勝ったのはハードバージテイエムオペラオーなど数えるほどである。しかしファンはここまでデビュー以来使われ続けているキングカメハメハは疲労しているとみて、生涯最初で最後の2番人気とした。キングカメハメハは福永祐一騎手を背にファンの懸念を吹き飛ばす末脚で2馬身半差の完勝を演じ、3歳最強であることをファンに認知させた。
 キングカメハメハの次走は皐月賞ではなく、NHKマイルカップであると陣営から発表されたときには、ファンはその意図が計りかねた。キングカメハメハはここまで2000mを中心に使われていて、1600m以下の距離は出走経験がなかった。中山の京成杯を使ったのも同距離同コースで行われる皐月賞を意識してのことと思われていた。しかし松田師は種牡馬として成功するにはマイルでの実績が不可欠と考え、皐月賞からダービーではなく、NHKマイルカップからダービーというローテーションで挑むことを選んだ。
 第9回NHKマイルカップは良馬場ながら雨が降るコンディション。ここには朝日杯FSを勝ったコスモサンビームなどマイルに実績十分な馬や、シーキングザパールの仔シーキングザダイヤなどの素質馬が出走していた。しかしファンはキングカメハメハの桁外れな瞬発力を期待して1番人気に支持していた。レースはタイキバカラが逃げメイショウボーラーが控え、コスモサンビームが中団の外につけた。キングカメハメハと安藤勝己はコスモサンビームに内外離れて並んで悠然と進んだ。直線外に進路を取ったキングカメハメハは、安藤騎手に追われることなく、他の馬は眼中にないという感じで、ゴールを目指し、コスモサンビームに5馬身差をつけて圧勝した。勝ち時計1分32秒5はレースレコードであり、その大物ぶりは完全にファンに印象づけられることになった。
 第71回日本ダービーは晴れ良馬場の絶好のコンディション。注目を集めたのはホッカイドウ競馬所属のままダービーに挑戦するコスモバルグであった。皐月賞でも2着しており、実力は証明されていた。しかしかつてのハイセイコーのような圧倒的な人気を集めなかったのは、この馬の馬主が「地方所属のままでダービー馬」という快挙を成し遂げたいがために、わざわざ中央に転厩させていないのが、ファンに見透かされていたという点と、キングカメハメハがあまりに強大な存在で、「この馬にはかなわない」という認識が蔓延していたからであろう。そういう背景からキングカメハメハが1番人気に支持されたのは当然といえる。しかしファンに不安がないわけではなかった。楽勝だったとはいえNHKマイルカップから中2週と強行軍であること、さらに初出走以来ほとんど休みなく1ヶ月に1回のペースで使われ続けていたからである。もしかするとダービーは疲労のピークに達しているのではないだろうか。そんな不安が単勝支持率30.5%という数字に表れていた。人気はコスモバルグ、皐月賞を勝った良血馬ダイワメジャー、青葉賞を勝ったハイヤーゲームの順で続いた。レースはマイネルマクロスが暴走気味のハイペースで逃げ、コスモバルグがその後ろに続いた。ダイワメジャーが好位置につけた。安藤勝己とキングカメハメハはハイヤーゲームとともに無理なく中団やや後方につけた。3コーナーから徐々に先頭集団にとりつき、4コーナーではハイヤーゲームとコスモバルグに挟まれるように進出。コスモバルグはこの時点で手応えがあやしくなった。あとゴールまで400mの地点で安藤勝己騎手にゴーサインを出す。もう他の馬はついていけない。食い下がっていたハイヤーゲームは後退する。最後方からの末脚に賭けていたハーツクライが追いすがるが、差は詰まらない。キングカメハメハは2分23秒3のダービーレコードで優勝した。安藤勝己騎手は地方笠松から中央に所属を変えて1年目でダービージョッキーの仲間入りを果たした。松田師にとっても、かつてクロフネタニノギムレットで挑戦して果たせなかったNHKマイルCとダービーという「変形二冠」を達成した。
 夏を順調に越したキングカメハメハの3歳秋初戦は神戸新聞杯とされ、道中手応えが怪しくなったものの、直線でエンジンを全開させて楽勝。次走はは3歳馬限定の菊花賞ではなく、古馬の中長距離の一線級が集結する天皇賞・秋とされた。さらにジャパンカップを経て、翌年には海外遠征を視野に入れると発表された。しかし天皇賞直前の10月21日右前浅屈腱炎を発症。オーナーは無理することなく種牡馬としての活躍を期待することにしてその2日後引退を決めた。キングカメハメハは同年の最優秀3歳牡馬に選ばれた。
 キングカメハメハは国内調教馬としては史上最高となる21億円という高額シンジケートで、社台スタリオンステーションにおいて種牡馬として供用されている。2006年7月11日ノーザンホースパークにおいて行われたセレクトセールにて、初年度産駒の当歳牝馬(母:トゥザヴィクトリー)が6億円という超破格額で落札され話題となった。
 今やNHKマイルカップ、ダービー、天皇賞・秋を同一年度に制覇することは、3歳クラシック三冠である、皐月賞、ダービー、菊花賞より実質的な価値は上回るという評価を否定することは難しいだろう。その偉業を達成していたならばキングカメハメハは新しい三冠馬の価値を創造していたかもしれない。キングカメハメハがダービーを制覇した翌2005年、ディープインパクトという超大物が出現して、キングカメハメハの競走馬としての実績は一気に色褪せてしまった感がある。しかしディープインパクトは三冠馬とはいえどちらかといえば距離が延びてこそ持ち味を発揮するタイプで、マイルでの実力は未知数。潜在力は間違いないだろうが、得てして競走力に秀でたタイプは、種牡馬としては全くの期待はずれに終わることは珍しいことではない。その点、キングカメハメハならマイルと長距離でスピードと底力を証明されているし、G2とはいえ中距離重賞の勝ち鞍もある。初年度産駒が6億円という高価格で落札されたのは、関係者の期待感の表れであろう。管理した松田師がキングカメハメハを評して「種牡馬としてはクロフネタニノギムレットを足したくらいの価値がある馬」と語ったというが、その言葉を証明することはさほど困難ではないであろう。
2006年7月24日筆

日付 競馬場 競走名 距離 馬場 頭数 人気 着順 時計 騎手 斤量 馬体重 1着馬(2着馬)
2 2003/11/16 京都 新馬 1800 12 1 1 1:50.5 安藤勝己 55 504 (ユニバーサル)
2003/12/13 阪神 エリカ賞 2000 12 1 1 2:02.6 武豊 55 498 (グレートベースン)
3 2004/1/18 中山 京成杯(G3) 2000 10 1 3 2:00.0 D.バルジュー 56 494 フォーカルポイント
2004/2/29 阪神 すみれステークス 2200 7 1 1 2:16.4 安藤勝己 56 494 (ストラタジェム)
2004/3/27 阪神 毎日杯(G3) 2000 8 2 1 2:01.2 福永祐一 57 494 (シェルゲーム)
2004/5/9 東京 NHKマイルカップ(G1) 1600 18 1 1 1:32.5 安藤勝己 57 496 (コスモサンビーム)
2004/5/30 東京 東京優駿(日本ダービー)(G1) 2400 18 1 1 2:23.3 安藤勝己 57 494 (ハーツクライ)
2004/9/26 阪神 神戸新聞杯(G2) 2000 8 1 1 1:59.0 安藤勝己 56 502 (ケイアイガード)

距離別実績
距離区分 1着 2着 3着 連対率 主な勝鞍
1400m未満 0.000
1400〜1900m未満 22001.000 2004NHKマイルカップ
1900〜2200m未満 43010.750
2200〜2800m未満 22001.000 2004東京優駿(日本ダービー)
2800m以上 0.000
芝コース通算87010.875 

競馬場別実績
競馬場 1着 2着 3着 連対率 主な勝鞍
中山10010.000
京都11001.000
東京22001.000 2004NHKマイルカップ 2004東京優駿(日本ダービー)
阪神44001.000
通算87010.875 

5代血統表
Kingmambo
1990 鹿
Mr.Prospector Raise a Native Native Dancer Polynesian
Geisha
Raise You Case Ace
Lady Glory
Gold Digger Nashua Nasrullah
Segula
Sequence Count Fleet
Miss Dogwood
Miesque Nureyev Northern Dancer Nearctic
Natalma
Special Forli
Thong
Pasadoble Prove Out Graustark
Equal Venture
Santa Quilla Sanctus
Neriad
マンファス
Manfath
1991 黒鹿
ラストタイクーン トライマイベスト Northern Dancer Nearctic
Natalma
Sex Appeal Buckpasser
Best in Show
Mill Princess Mill Reef Never Bend
Milan Mill
Irish Lass Sayajirao
Scollata
Pilot Bird Blakeney Hethersett Hugh Lupus
Bride Elect
Windmill Girl Hornbeam
Chorus Beauty
The Dancer Green Dancer Nijinsky
Green Valley
Khazaeen Charlottesville
Aimee


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