ネオユニヴァース

Neo Universe

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[競走成績][実績][血統表]

ネオユニヴァースの画像
画像提供 RACINGFIELDS.com
2000/5/21生 
牡  鹿毛
父:サンデーサイレンス 母:ポインテッドパス (by Kris)
生産者:千歳・社台ファーム(JPN)
馬主:(有)社台レースホース
調教師:瀬戸口勉(栗東)

・中央所属時成績
2歳時 2戦 1勝
3歳時 9戦 5勝 皐月賞 東京優駿
4歳時 2戦 1勝
中央通算 13戦 7勝
全通算 13戦 7勝

[解 説]当HPでは漢数字の馬齢は旧年齢表記、算用数字の馬齢は満年齢表記
 ネオユニヴァースは2000年5月21日、千歳・社台ファームにて生まれた。父サンデーサイレンスについては多くの説明は不要であろう。我が国競馬史上最高の成績を収めた輸入種牡馬で、5頭のダービー馬をはじめ数多くのG1馬の父となった。母ポインテッドパスは1984年イギリス産馬で、現役時代はフランスで2戦未勝利と平凡。1994年、社台ファーム総帥吉田照哉氏がキーンランドの競りにおいて30万ドルで購入した。父がKrisということだけで母系はさほど見どころがあるわけではなかったが、吉田氏は馬体、品格に惹かれるところがあったという。日本に導入されてからはサンデーサイレンスとばかり配合された。ネオユニヴァースは9番仔で、日本での初年度産駒として京成杯(G2)を2着したチョウカイリョウガ、8番仔に準オープン馬アグネスプラネットがいる。ところでサンデーサイレンスは他ならぬ社台ファームが導入した種牡馬である。しかし意外に知られていないことだが、社台ファームがサンデーサイレンスを独占的に交配できたわけではなかった。同じ経営母体ということで、予約がかち合った時など高額な種付け料を支払う他の牧場に遠慮することもあった。ネオユニヴァースが遅生まれなのは、こうした事情で種付け時期が遅れたことが背景にある。
 社台ファームが運営する共同馬主クラブである(有)社台レースホースの所有馬として、栗東・瀬戸口勉厩舎に入厩したネオユニヴァースは、2002年11月2歳に京都の1400m新馬戦に初出走。福永佑一騎手を鞍上に1番人気の支持を受け、18頭立てという多頭数に怯むことなく初戦を飾った。しかし中京2歳Sは池添騎手で3着に敗れ、多少評価を下げた。
 3歳は1月京都の白梅賞を福永騎手の手に戻って手堅くものにし、きさらぎ賞(G3)に重賞初挑戦。初めての重馬場で3番人気と評価は低かったが、素質馬として評価の高かったサイレントディールの追い込みをかわし、クラシック戦線の有力馬に数えられるようになった。皐月賞を目指し東上、中山のスプリングS(G2)を叩いた。ここには関東の有力馬サクラプレジデントが出走していて、2番人気に甘んじた。瀬戸口師は短期免許で来日していたイタリアの若手、M.デムーロ騎手に騎乗を依頼、外国人騎手に特有の咄嗟の判断力に託すことにした。果たして彼の絶妙のペース判断から放たれたステッキに応え、先行するサクラプレジデントの4コーナーで一気に捲って完封した。
 第63回皐月賞(G1)はスプリングSで好勝負したネオユニヴァースとサクラプレジデントの2頭が抜けた支持を集めた。ネオユニヴァースは4コーナーで窮屈なところに入り、ピンチかと思われたが、デムーロ騎手の好判断で抜け出し、追いすがるサクラプレジデントをアタマ差抑えて、まずは一冠を手にした。
 第70回日本ダービー(G1)はネオユニヴァースで断然のムードとなった。これに雪辱を期したいサクラプレジデントと藤沢厩舎が送り込むゼンノロブロイとで上位人気が形成された。内枠で揉まれ折り合いに苦しむサクラプレジデントを尻目に、ネオユニヴァースは直線でデムーロ騎手のステッキに応えて抜け出すと、追いすがるゼンノロブロイを半馬身抑えた。外国人騎手による初めてのダービー制覇であった。長い間日本の馬生産界のトップに君臨しながら、名馬と呼べる超一流馬は未だ作り出せていなかった社台ファームがついに本当の名馬を手にしたのかと思わせた。しかし皐月賞、ダービーの着差が僅差だった、時計的には物足りない、いやあの馬はシンザンと同様ゴール地点を知っていて余分な力を出さないのだ、などと評価が分かれた。
 ダービー後、関係者は画期的な決断を下す。すなわちその年のダービー馬による宝塚記念挑戦である。宝塚記念(G1)は3歳馬が出走可能となってから10年以上経っていたが、G1を勝った一流3歳馬の出走は過去になかった。ダービー馬となれば秋に行われる菊花賞に備えて休養するのが当然とされていて、無理な臨戦過程を経て、わざわざ一流古馬の出走する宝塚記念に出走して、戦績に傷をつけることはないという考えが主流であった。そこにダービー馬、それも秋には三冠を目指す二冠馬が出走するのだから、画期的であった。しかも古馬陣も層が厚かった。昨年3歳にして有馬記念を制したシンボリクリスエスがぶっつけで宝塚記念に出走を表明。さらに菊花賞に加えこの年天皇賞も制したヒシミラクル、安田記念を制してG1競走6勝を数えるアグネスデジタルも参戦し、この年の宝塚記念は史上最高の出走馬が揃った。ネオユニヴァースはシンボリクリスエスに続く2番人気に支持された。3歳馬が1頭を除く古馬よりも評価されたのは、二冠を獲得した能力、そして古馬58キロに対して53キロという有利な斤量を買われたのであろう。レースは天皇賞を勝ちながら6番人気と低評価だったヒシミラクルが優勝。ネオユニヴァースはシンボリクリスエスに先着したものの4着に敗れた。
 秋は神戸新聞杯(G2)から始動。デムーロ騎手はまだ来日していないため福永騎手を鞍上に据えた。調整途上だったとはいえダービーで下したゼンノロブロイの3着に敗れるパッとしない内容であった。史上5頭目の三冠を目指してネオユニヴァースは菊花賞(G1)に出走した。三冠を狙う馬はよほどの体調不良でもない限り圧倒的1番人気に推されるのが普通である。しかし単勝支持率34%の1番人気に推されたものの、2番人気ゼンノロブロイの支持率は31%と僅差であった。ファンは宝塚記念出走の影響、神戸新聞杯の内容を考慮してネオユニヴァースに絶対の信頼は置けなかったのであろう。ちなみにこの年は牝馬戦線も二冠馬が誕生していて、この菊花賞の1週前の秋華賞でスティルインラブが史上2頭目の牝馬三冠を達成していた。最終的に1番人気に推されたのはそのムードにあやかろうとした側面も否定でない。ファンの漠然とした不安は的中してしまう。皐月賞前に高い評価を得ながらその後勝ち星から遠ざかり、5番人気まで評価が落ちていたザッツザプレンティの3コーナーからのロングスパートについていけず3着に敗れたのである。ジャパンカップ(国際G1)はダービーの再現を期待されてシンボリクリスエスに続く2番人気に支持されたが、重馬場で思ったほど動けず、タップダンスシチーの逃げ切りを許し4着に敗れた。有馬記念は早い段階から出走を回避して4歳に捲土重来をはかった。
 4歳は天皇賞・春を目指しまずは大阪杯(G2)に出走した。これに惨敗すれば早熟馬と評価されても仕方がなかったが快勝。まずは評価を持ち直して天皇賞・春(G1)に挑んだ。大阪杯の勝ち馬は距離とレース間隔の関係で天皇賞とは相性が悪く、関連性の深い阪神大賞典を勝ったリンカーンが1番人気に支持され、ネオユニヴァースは2番人気、さらにザッツザプレンティゼンノロブロイが続いた。過去波乱の少ない傾向を示していた天皇賞・春ということもあって、この4歳4強で決まるだろうとのムードが漂っていた。しかしレースは同じ社台ファーム生まれの5歳馬、10番人気のイングランディーレの逃げ切りで決着、ゼンノロブロイが2着に入ったものの、ネオユニヴァースの10着をはじめ有力馬のほとんどが2ケタ着順に沈むという散々な結果に終わった。
 気を取り直して宝塚記念に向け調整されたが、6月上旬右前の浅屈腱炎と球節にヒビが入っていることが判明して出走を回避。その後復帰に向けて関係者の努力が続けられたが、結局8月には引退を表明した。9月20日札幌競馬場で引退式が行われた。
 2005年より社台スタリオンステーションにて種付けを開始予定で、種牡馬としての生活が始まっているネオユニヴァースだが、飽和気味のサンデーサイレンス産駒の種牡馬にあって、地味な母系に加えて、二冠馬ではあるものの派手な勝ち方がなく、古馬になってもさほどの成長が見られなかった戦績から、どれほどの繁殖牝馬が集まるのか疑問する向きもあったが、2009年皐月賞でアンライバルドがレコードで優勝。同年のダービーでロジユニヴァースが不良馬場を力走して優勝。2010年もヴィクトワールピサが皐月賞と有馬記念、さらに2011年に日本の馬として初めてドバイワールドカップを制する偉業を成し遂げた。産駒は自身と同じくバランスのいい馬体を持っていることが多く、スピード馬場も力のある馬場も得意としている。産駒成績も素晴らしいネオユニヴァースだが、もう少し現役時代を見たい馬だった。これまで及び腰であったその年のダービー馬による宝塚記念への出走を果たした事実は、永久に記載するべき記録であろう。
2004年10月19日筆
2011年5月14日加筆

日付 競馬場 競走名 距離 馬場 頭数 人気 着順 時計 騎手 斤量 馬体重 1着馬(2着馬)
2 2002/11/9 京都 新馬 1400 18 1 1 1:22.7 福永祐一 54 494 (マヤノキャンディ)
2002/12/14 中京 中京2歳ステークス 1800 9 1 3 1:49.2 池添謙一 55 496 ホシコマンダー
3 2003/1/18 京都 白梅賞 1600 16 1 1 1:35.1 福永祐一 56 488 (ハッピートゥモロー)
2003/2/16 京都 きさらぎ賞(G3) 1800 14 3 1 1:49.6 福永祐一 56 482 (サイレントディール)
2003/3/23 中山 スプリングステークス(G2) 1800 16 2 1 1:48.2 M.デムーロ 56 484 (サクラプレジデント)
2003/4/20 中山 皐月賞(G1) 2000 18 1 1 2:01.2 M.デムーロ 57 488 (サクラプレジデント)
2003/6/1 東京 東京優駿(G1) 2400 18 1 1 2:28.5 M.デムーロ 57 486 (ゼンノロブロイ)
2003/6/29 阪神 宝塚記念【GI】 2200 17 2 4 2:12.3 M.デムーロ 53 490 ヒシミラクル
2003/9/28 阪神 神戸新聞杯(G2) 2000 13 2 3 2:00.2 福永祐一 56 490 ゼンノロブロイ
2003/10/26 京都 菊花賞(G1) 3000 18 1 3 3:05.0 M.デムーロ 57 492 ザッツザプレンティ
2003/11/30 東京 ジャパンカップ【GI】 2400 18 2 4 2:30.3 M.デムーロ 55 488 タップダンスシチー
4 2004/4/4 阪神 大阪杯【GII】 2000 11 1 1 1:59.6 M.デムーロ 59 496 (マグナーテン)
2004/5/2 京都 天皇賞・春(G1) 3200 18 2 10 3:20.3 M.デムーロ 58 500 イングランディーレ

距離別実績
距離区分 1着 2着 3着 連対率 主な勝鞍
1400m未満 0.000
1400〜1900m未満 54010.800
1900〜2200m未満 32010.667 2003皐月賞
2200〜2800m未満 31000.333 2003東京優駿
2800m以上 20010.000
芝コース通算137030.538 

競馬場別実績
競馬場 1着 2着 3着 連対率 主な勝鞍
中京10010.000
中山22001.000 2003皐月賞
京都53010.600
東京21000.500 2003東京優駿
阪神31010.333
通算137030.538 

5代血統表
サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿
Halo Hail to Reason Turn-to Royal Charger
Source Sucree
Nothirdchance Blue Swords
Galla Colors
Cosmah Cosmic Bomb Pharamond
Banish Fear
Almahmoud Mahmoud
Arbitrator
Wishing Well Understanding Promised Land Palestinian
Mahmoudess
Pretty Ways Stymie
Pretty Jo
Mountain Flower Montparnasse Gulf Stream
Mignon
Edelweiss Hillary
Dowager
ポインテッドパス
Pointed Path
1984 栗
Kris Sharpen Up エタン Native Dancer
Mixed Marriage
Rocchetta Rockefella
Chambiges
Doubly Sure Reliance Tantieme
Relance
Soft Angels Crepello
Sweet Angel
Silken Way Shantung Sicambre Prince Bio
Sif
Barley Corn Hyperion
Schiaparelli
Boulevard Pall Mall Palestine
Malapert
Costa Sola Worden
Sunny Cove


作成 2011/05/14
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