タニノギムレット

Tanino Gimlet

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[競走成績][実績][血統表]

タニノギムレットの画像
著作権
1999/5/4生 
牡  鹿毛
父:ブライアンズタイム 母:タニノクリスタル (by クリスタルパレス)
生産者:静内・カントリー牧場(JPN)
馬主:谷水雄三氏
調教師:松田国英(栗東)

・中央所属時成績
2歳時 2戦 1勝
3歳時 6戦 4勝 東京優駿
中央通算 8戦 5勝
全通算 8戦 5勝

[解 説]
 タニノギムレットは1999年5月静内・カントリー牧場にて生まれた。父ブライアンズタイムは四冠馬ナリタブライアン、菊花賞をはじめG1競走4勝のマヤノトップガン、ダービー馬サニーブライアン、オークス馬チョウカイキャロルシルクプリマドンナ、有馬記念を勝ったシルクジャスティスなど、サンデーサイレンスには及ばないものの、毎年のようにG1路線で活躍する産駒を輩出している。芝2400mでの強さは特に秀でている。母タニノクリスタルは現役時40戦3勝。重賞勝ちこそないが、サファイアS(G3)を3着しており、準オープン馬として息の長い活躍をした。タニノクリスタルの母タニノシーバードはカントリー牧場のオーナー谷水雄三氏により名馬シーバードSea-Birdの産駒をアメリカ・ケンタッキー州の競り市で牧場の基礎牝馬として1973年に購入された。シーバードは通算8戦7勝。1965年に英国ダービーを楽勝し、同年の凱旋門賞も圧勝した歴史的な名馬であった。しかしアレフランスなど大物を出したものの、種牡馬成績は芳しくなく1973年他界した。タニノクリスタルの落札価格は7万ドル。当時のレートで2000万円を超えていた。アメリカで10戦2勝の成績を残し、1975年よりカントリー牧場で繁殖生活をはじめた。朝日チャレンジC(G3)などを勝ったタニノスイセイなど活躍馬を多く輩出した。タニノクリスタルの父クリスタルパレスは1974年フランス産馬。現役時代はフランスダービーを含む9戦3勝。1985年にフランスリーディングサイヤーとなっている。その年より日本で供用が開始され、1991年の天皇賞・秋を繰り上がりで優勝したプレクラスニーなどを輩出している。
 タニノギムレットは生産者でもある谷水雄三氏の持ち馬として栗東・松田国英厩舎に入厩した。ちなみにギムレットとはジンとライムジュースから作られるカクテルである。初出走は2歳の2001年8月、札幌の1000mダートの新馬戦。横山典弘騎手を鞍上に、1番人気で出走したが2着に敗れた。その後脚部不安が生じて、12月阪神1600mの未勝利戦を四位騎手を鞍上に勝ち上がった。
 明けて3歳、2002年1月のシンザン記念(G3)に再び姿を現した。武豊騎手に乗り代わり好位から抜け出してこれを快勝。続くアーリントンカップ(G3)も後続を突き放して完勝、雄躍東上して、スプリングS(G2)に駒を進めた。この頃になると直線で強烈な決め手を披露するタニノギムレットにスター性を期待する声も大きくなりつつあった。四位騎手は大外から豪快に追い込み1番人気に応えた。この勝ちっぷりから、皐月賞(G1)は当然のように1番人気に推された。しかし後方からよく追い込んだものの大外を回った不利が殊の外大きく、伏兵ノーリーズンの3着に敗れてしまった。陣営は汚名を挽回するべく、ダービーの前にNHKマイルカップに出走する異例の選択をした。鞍上も武豊騎手の手に戻った。しかし直線で2度に渡る致命的な不利があってテレグノシスの3着に敗れた。しかし不利がありながらもよく3着を確保したともいえた。
 第69回日本ダービー(G1)は日韓共催によるサッカーワールドカップの開催直前ということで、どことなく競馬が忘れられた雰囲気もなきにもしもあらずで、空は今にも雨が降り出しそうな天気であった。タニノギムレットは単勝支持率30%弱の1番人気であった。今年になって6戦目の上、皐月賞からNHKマイルCを使っての異例の臨戦過程を懸念する声は確かに存在した。しかしこの馬の潜在能力とヒーローを渇望するファン、そしてかつて谷水オーナーの父信夫氏が生産したタニノハローモアタニノムーティエが、同様に過酷な臨戦過程でダービーを制した事実が人気を押し上げたと考えられた。さらに松田調教師にしてみれば前年、NHKマイルCを制しながらダービーで5着に敗れたクロフネの雪辱を晴らしたい気持ちも強く働いたのだろう。2番人気は皐月賞馬ノーリーズン。3番人気は直前の青葉賞を勝ち上がった外国産馬のシンボリクリスエスであった。シンボリクリスエスは評判馬ではあったものの、クラシック戦線の一級馬と初対戦であったし、大型馬故の仕上がりの遅さが懸念された。結局、ファンの選択は正しいことが証明される結果となった。直線なかばで抜け出したシンボリクリスエスをゴール寸前で捉えたのはタニノギムレットであった。鞍上の武豊は青葉賞でシンボリクリスエスに騎乗していたことで敵をよく知っていたこと、いつもの確かなペース判断、そしてタニノギムレット自身の豊富なレース経験と豪快な末脚が、栄冠をもたらした。谷水雄三オーナーにとってはダービー初制覇となるが、父信夫氏の代からは32年ぶりの3回目のダービー制覇。武豊は史上初のダービー3勝騎手となった。また小泉総理大臣も表彰式に訪れ、新たなるヒーローの出現で祝福ムードに包まれた。
 ところが菊花賞を目指して調整中のその年の秋に屈腱炎を発症。全治半年の診断を得て、引退を余儀なくされた。社台グループがいち早くブライアンズタイム系の種牡馬として導入を発表。社台スタリオンステーションで繁殖生活を送ることになった。引退式は初年度種付けを終えた、2003年8月24日に札幌競馬場で執り行われた。
 ダービー奪取に賭けたオーナーと調教師の熱意の前に、ダービーで競走生活を完全燃焼させられた感のあるタニノギムレットであった。ダービーで下したシンボリクリスエスが同年及び翌年の天皇賞・秋、有馬記念を連覇したが、タニノギムレットが健在ならば果たしてここまで圧倒的な実績をあげることが出来たかどうか。シンボリクリスエスにとっては唯一決着をつけることができなかった馬となった。シンボリクリスエスも社台スタリオンステーションにおり、良血の繁殖牝馬を優先的に配合され、タニノギムレットは種牡馬実績を上げるという点では不利は免れない。2005年度の種付け料はシンボリクリスエスが600万円、タニノギムレットは300万円。この種付け料はスペシャルウィークジャングルポケットと同額である。しかしタニノギムレットはこの2頭に比べて、クラシックディスタンスだけでなく、種牡馬と成功するのに必要条件であるマイルに実績があり、サンデーサイレンス系、ミスタープロスペクター系、ノーザンダンサー系のいずれの牝馬にも配合できる幅広さがある。そのような期待された種牡馬タニノギムレットは初年度産駒から、2007年に牝馬にしてダービーを制したウオッカという超大物を輩出した。ウオッカはその後も天皇賞・秋、安田記念連覇など勝ち鞍を積み重ねた。他に2008年のスプリングSを勝ったスマイルジャック、2009年東京新聞杯を勝ったアブソリュートを出すなど、種牡馬としての一定の評価を上げつつある。今後も良質な繁殖牝馬を配合できれば、その良さを引き出す能力は十分あると推定される。
2005年2月19日筆
2009年6月19日加筆

日付 競馬場 競走名 距離 馬場 頭数 人気 着順 時計 騎手 斤量 馬体重 1着馬(2着馬)
2 2001/8/5 札幌 新馬 ダ1000 12 1 2 1:00.6 横山典弘 53 472 レアパール
2001/12/22 阪神 未勝利 1600 16 3 1 1:35.6 四位洋文 54 480 (ハマノホーク)
3 2002/1/14 京都 シンザン記念(G3) 1600 16 1 1 1:34.8 武豊 55 488 (チアズシュタルク)
2002/2/23 阪神 アーリントンカップ(G3) 1600 13 1 1 1:33.9 武豊 56 482 (ホーマンウイナー)
2002/3/17 中山 スプリングステークス(G2) 1800 16 1 1 1:46.9 四位洋文 56 482 (テレグノシス)
2002/4/14 中山 皐月賞(G1) 2000 18 1 3 1:58.8 四位洋文 57 484 ノーリーズン
2002/5/4 東京 NHKマイルカップ(G1) 1600 18 1 3 1:33.5 武豊 57 480 テレグノシス
2002/5/26 東京 東京優駿(G1) 2400 18 1 1 2:26.2 武豊 57 482 (シンボリクリスエス)

距離別実績
距離区分 1着 2着 3着 連対率 主な勝鞍
1400m未満 0.000
ダート1400m未満 10101.000
1400〜1900m未満 54010.800
1900〜2200m未満 10010.000
2200〜2800m未満 11001.000 2002東京優駿
2800m以上 0.000
芝コース通算75020.714 
ダートコース通算10101.000 

競馬場別実績
競馬場 1着 2着 3着 連対率 主な勝鞍
札幌10101.000
中山21010.500
京都11001.000
東京21010.500 2002東京優駿
阪神22001.000
通算85120.750 

5代血統表
ブライアンズタイム
Brian's Time
1985 黒鹿
Roberto Hail to Reason Turn-to Royal Charger
Source Sucree
Nothirdchance Blue Swords
Galla Colors
Bramalea Nashua Nasrullah
Segula
Rarelea Bull Lea
Bleebok
Kelley's Day Graustark Ribot Tenerani
Romanella
Flower Bowl Alibhai
Flower Bed
Golden Trail Hasty Road Roman
Traffic Court
Sunny Vale Eight Thirty
Sun Mixa
タニノクリスタル
1988 栗
クリスタルパレス Caro フォルティノ Grey Sovereign
Ranavalo
Chambord Chamossaire
Life Hill
Hermieres Sicambre Prince Bio
Sif
Vieille Pierre Blue Peter
Vieille Maison
タニノシーバード Sea-Bird Dan Cupid Native Dancer
Vixenette
Sicalade Sicambre
Marmelade
Flaxen Graustark Ribot
Flower Bowl
Flavia Roman
Mbale


作成 2009/06/19
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