イギリスに範をとって発展してきた我が国の競馬は、3歳馬の距離体系がダービーを頂点とする中・長距離が中心で、短距離路線の整備は進んでいなかった。しかし世界の近代競馬がスタミナとともに、よりスピードを重視する趨勢の中で、伝統的な中・長距離だけでなく短距離での成績も重要視されるようになってきた。そこで1996年、ダービー前哨戦として施行されていたNHK杯を廃止し、3歳馬限定の1600mのG1として本競走が設けられた。設立当初はダービーに出走できない外国産馬が大挙出走し、「マル外ダービー」などといわれたが、内国産馬の質的向上や、2001年より外国産馬でも制限付きでダービーに出走できるようになったことから、今後は本来の設立目的である優秀な短距離馬の選定競走として機能することだろう。